[No.464-1]ぶたカバン
No.464-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「なにそれ・・・あだ名?」
もし、それがあだ名だったとしたら結構失礼だ。
「違うよ、私を見たらわかるじゃん」
「昔はどうだかわからないでしょ?」
「そりゃ・・・ね、ってこらぁ!」
納得しながらも、冷静に考えれば笑えない。
「あだ名じゃないなら、なにさ?」
高校生の時だった。
教科書を持ち帰らず学校に残しておく・・・。
私たちの定番の行動だった。
「重いし、面倒だったこともあるけど」
一番の理由は別のところにあった。
逆に教科書を持って帰る人も少なくはない。
そうすると、必然的にカバンが分厚くなる。
「当時、それがみっともなく感じたの」
「それに、真面目な人・・・とも思われたくもなかったし」
真面目な人と言うより、良い子ぶっていると思われたくなかった。
「その分厚いカバンを“ぶたカバン”って呼んでたの」
「それなら、一種のあだ名じゃん!」
そう言われるとそうかもしれない。
間接的にその本人をからかっていることに近い。
それにぶたカバンを持つ人をどこか冷ややかな目で見ていた。
つまり、良い子ぶっていると・・・。
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