[No.463-1]蜜の味
No.463-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
「ねぇ、この花、知ってる?」
友人が目の前の赤い花を指差す。
「名前は知らないけど、学校とかに咲いてた記憶がある」
「・・・うふふ、学校ねぇ~」
どうやら、ど真ん中に玉を投げ込んでしまったらしい。
「この花の蜜なんだけど」
「・・・みつって、あの?」
「そう!甘いって知ってた?」
一般的に、蜜は甘いものだと思う。
「その花はどうか知らないけど、普通甘いでしょ・・・」
「・・・と言うか、何で甘いって知ってるわけ?」
聞き返した割には、答えの予想は付いている。
「だって、吸ってたんだもん!」
「あっ、やっぱり・・・」
ところで、この会話の着地点はどこになるのだろう。
「で、それが?」
「たくさん吸うとそれなりに、満腹感があるんだよね」
男性と昔話しているなら、まだわかる。
男子なら、いかにもしそうな行動だからだ。
「別に、食べる物がなかったわけじゃないからね」
「そうじゃなくて・・・一応、当時女子だったわけじゃん」
| 固定リンク | 0
「(019)小説No.451~475」カテゴリの記事
- [No.475-2]食堂の匂い(2013.08.28)
- [No.475-1]食堂の匂い(2013.08.27)
- [No.474-2]迷子のコリラックマ(2013.08.25)
- [No.474-1]迷子のコリラックマ(2013.08.23)
- [No.473-2]私でした(2013.08.20)
コメント