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[No.462-2]ありがとう

No.462-2

「まぁ、気持ち的にだろ?」
「いいや、耳を近付けてみて?」
「こうか?」

“馬鹿馬鹿しい”と拒否をしない自分が案外好きだ。

(ありがとう・・・)

小さく聞き覚えのある声がする。
もちろん、声色は変えてはいるが。

「本当だ!聞こえた・・・」
「やろ!」

もちろん、声の主はせいじゅうろうではない。

「買ってもらえて喜んでるんや」

せいじゅうろうの喜びはイコール、菜緒(なお)の喜びだ。
これが菜緒流の喜び方でもある。

「来週は広島だから、また探してくる」
「広島なんや・・・そしたら・・・」

(・・・あったぁ!)

あいつが他のキャラクターと共にぶら下がっていた。
ひとつ手に取り、レジに向かう。

(ありがとう・・・)

「えっ!」

なんとなくそんな声が聞こえたような気がした。
Image
(No.462完)

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