[No.460-2]かばんに手紙
No.460-2
でも、隠していたのではない。
気持ちの上では、“入れている”ことにしていた。
「慌てて、他のカバンも確認したよ」
個人情報のような大袈裟なものじゃない。
けど、あまり人には見られたくない代物だ。
「何もなかった?」
「あぁ・・・全てのポケットを確認したよ」
結局、メッセージカードどころか、なにも出てこなかった。
「・・・なんだよ?」
「まだ残ってる!」
そう言うと、僕のカバンを指さす。
「これか!?あるわけないだろ?」
ただ、この言葉を素直に受け入れてくれるとは思えない。
「じゃ、見てろよ」
目の前で隅々まで見せれば納得するはずだ。
「・・・ほらな・・・何もないだろ?」
さっき、大見得をきったものの、内心ドキドキものだった。
「安心したか?」
「うん、安心した・・・私が贈ったメッセージカードが入ってなくて」
・・・意味がよく分からない。
女友達のカードならいざしらず、どうして・・・。
「どういう意味だ?」
「だって、私のカードが入っていたら・・・」
「それを見せたくない相手が身近に居ることになるでしょ?」
(No.460完)
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コメント
こんにちは。
作品を拝見させて頂きました。
とても良かったです。
これからも素敵な作品楽しみにしています。
頑張って下さい。
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投稿: つねさん | 2013年6月27日 (木) 15時03分
初めまして、つねさん。
ただただ自己満足で書いていますので
コメントを頂けてとても嬉しいです。
これからも書き続けて行きますね(^O^)
投稿: Re:つねさんへ | 2013年6月28日 (金) 22時06分