[No.460-1]かばんに手紙
No.460-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
-----------------------------
いわゆる“タンスの肥やし”を作りたくない。
だから、時々、不要なものをまとめて捨てることがある。
(・・・ん?何か入っている)
一応、捨てる前には隅々までチェックする。
「あっ、これ・・・」
思いもよらなかったものが出てきた。
「・・・手紙?」
「正確にはメッセージカードかな」
2、3行のメッセージがそこには書かれていた。
「内容はともかく、なんでカバンの中なの?」
「一言で言えば、隠してた」
「見つからないように?」
「あぁ」
こう答えると、次に聞かれる内容は予想できる。
「誰に・・・だろ?」
顔にそう書いてある。
「前の彼女に隠してた、一緒に住んでたし」
「・・・それは知ってるけど、じゃぁ・・・」
「それは違う」
別に浮気相手のメッセージカードじゃない。
ただ、あらぬ疑いを掛けられないように伏せていたのは事実だ。
「相手はただの女友達」
「仲が良かったのは否定しないけど」
捨てるわけにもいかず、部屋に置いておくわけにもいかず・・・。
「その時、使っていたカバンに目立たないポケットがあって」
| 固定リンク | 0
「(019)小説No.451~475」カテゴリの記事
- [No.475-2]食堂の匂い(2013.08.28)
- [No.475-1]食堂の匂い(2013.08.27)
- [No.474-2]迷子のコリラックマ(2013.08.25)
- [No.474-1]迷子のコリラックマ(2013.08.23)
- [No.473-2]私でした(2013.08.20)
コメント