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[No.457-1]才能

No.457-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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毎日ではないにせよ、勝手に家へ帰ってしまう。
他人事のようだけど、僕の幼稚園での苦い想い出だ。

「登校ならぬ、登園拒否?」
「いいや、単に家が恋しかっただけ」

特別、甘えん坊だったわけじゃない。
けど、簡単に言えば・・・ホームシックと言える。

「ホームシックって・・・」
「たかが数時間程度でしょ?」

何度も先生が家へ迎えに来てくれた。
・・・というより、連れ戻しに来た。
とにかく、幼稚園の先生には随分迷惑を掛けた。

「感謝してる?」
「そりゃもう!それに・・・」

感謝することが他にもある。

「他になにを、しでかしたのよ!?」
「そっちじゃなくて!」

ある、お絵かきの時間のことだ。
先生が僕が書いている絵をマジマジと見つめていた。

「何の絵だったの?」
「なんて説明したらいいのかな」

具体的な対象物を描写したものではない。
SF的と言うか何と言うか・・・つまり・・・。

「・・・そうだ!ダリだよ、ダリ!」

そこまでおどろおどろしくはないが雰囲気はそっくりだ。

「今でもどんな絵か覚えてはいるんだけど・・・」
「不思議と書けと言われたら書けない」

(No.457-2へ続く)

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