[No.456-1]ちらし配り
No.456-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
-----------------------------
「・・・ったく、うざいよな」
毎日のこととわかっていながら、つい口に出てしまう。
うざい対象は、このチラシだ。
それが郵便受けの中に大量に入っている。
「めんどうなんだよな」
帰宅したら、郵便受けを見る。
僕だけではなく、大勢がきっとそう感じているだろう。
「そんなにめんどうかな?」
「見ることが・・・じゃないぞ」
めんどうなのは一緒に入っているチラシだ。
チラシしか入っていない日も結構多い。
「間違って、郵便物を捨てたこともあったし」
ゴミ箱の中のゴミを捨てる時に、たまたま視界に入った。
それでことなきを得た。
「確かに見分けがつかないものも多いよね」
「それに大量に入ってるだろ?」
チラシの間に紛れ込んでいることも多い。
「ガサッ!といっぺんに捨てられたら・・・」
それなら、そんなにめんどうに感じない。
「そうね、配ってくれる人には悪いけど」
「・・・そうだ!」
「配ってくれる人と言えば・・・」
たまに、チラシを入れているその瞬間に居合わせることがある。
それを入れる側、そして捨てる側・・・。
何とも言えない空気を感じる。
| 固定リンク | 0
「(019)小説No.451~475」カテゴリの記事
- [No.475-2]食堂の匂い(2013.08.28)
- [No.475-1]食堂の匂い(2013.08.27)
- [No.474-2]迷子のコリラックマ(2013.08.25)
- [No.474-1]迷子のコリラックマ(2013.08.23)
- [No.473-2]私でした(2013.08.20)
コメント