[No.454-1]写真の中の私
No.454-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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こうなることは分っていた。
(懐かしいな・・・)
写真を一枚手に取るごとに、作業の手が止まる。
連休を利用してアルバムの整理をしようと考えた。
もう何年も整理していない写真が引出しの奥に眠っている。
「時代を感じさせるな~」
つい、恥ずかしさのあまり声に出でしまった。
髪型しかり、化粧しかりだ。
「アルバム整理って思ったほど、進まないんだよね」
結果的に連休中に整理はできた。
でも、かなりの時間を費やした・・・もちろん“整理に”ではない。
「懐かしむことに時間を取られちゃって」
頭の中ではなく写真の中にだけ存在する想い出もある。
「そうそう!それに案外、面倒だったりするよね」
確かに面倒だ。
ただ、友人の面倒と私の面倒はニュアンスが違う。
「あなたは“めんどくさい”で私は・・・」
几帳面すぎて、キチンと整理しないと気持ち悪い。
だから、整理しだすと止まらなくなる。
でも、そのお陰で、色々と想い出すことができた。
「忘れかけていたことも随分あったしね」
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