ホタル通信 No.164
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.78 上を向いて
実話度:☆☆☆☆☆(00%)
語り手:男性
実話度はゼロですが、明確なテーマはあります。読んでいただければわかる通り、ひまわりとそしてもうひとつ・・・
ひまわりは冬のホタルに時々登場します。ただ、花そのものとしてではなく、擬人化したり、元気の象徴として登場させています。
この作品はそのどちらも含ませていますが、なぜ、このような話になったのかは記憶が定かではありません。
それでも、初期の作品に良く見られた応援歌的な雰囲気が全体に漂っています。
それでは内容に触れて行きます。
まず、前半の終盤「食べ過ぎたよ~」以前とそれ以降との間には時間が経過しています。つまり、冒頭のちょっとしたケンカを鎮めるために甘いものをおごらされ、その結果「食べ過ぎた」に繋がります。
この辺りの展開は特に伏線でもなく、何かを狙ったものではありません。いわゆる冬のホタル流の展開で、登場人物が自分たちの想いで話を進めています
後半は一転して、何かを狙った作りにしています。
単にひまわりを擬人化するつもりで中盤のひまわりの挙動を描いたのですが、これが偶然にも前半に繋がることになりました。
~ひまわりは、僕から目をそらし、そっぽを向いた。
そして、風が止むと、僕と目が合った~
このくだりを書いた時、それこそ小説と同じように、似たようなことがあったのに気付きました。つまり、それが前半の展開だったのです。
従って、前半は後半の伏線の意味で作ったのではなく、偶然そうなっただけに過ぎません。たまに、そんな都合良く話が出来上がることがあります。
最後に、最初に書いた明確なもうひとつのテーマについて触れておきますね。それは「生きる」ということです。
直接的な表現はおろか、重々しいくだりも無いに等しいのですが、話の節々に出てくる様々な「風」に複雑な想いを託しています。
「ひまわり=京香」であり、京香がさまざまな風に吹かれている様子を描いたものです
ある意味、実話度100%と言えるのですが、作者的にはその裏返しのような作品と捉えていますので、実話度はゼロにしています。
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