[No.448-2]悩んでいても腹は減る
No.448-2
あれから更に1週間が経過した。
相変わらず、解決の糸口は見えない。
それどころか、余計に酷くなっている。
「・・・やつれてるわよ」
それもそのはずだ。
食欲は更に落ちるし、眠れぬ日々も続いた。
「わかるけど、まずは食べなきゃ!」
「・・・そうなんだけど、喉を通らなくて」
それこそ、綺麗な話ではないが、ちょっと“もどし”そうになる。
心と言うか・・・気持ちがそれを受け付けていない気がする。
「もうすぐ、昼休みだし、ランチおごるからさ」
「ありがとう・・・でも、食べれないよ、多分」
その時だった。
“グゥ~キュルキュル”と言う擬音が似合う音がした。
俗に言う“腹の虫”だ。
「あっ・・・ごめん」
鳴ったのは私ではなく、同僚の方だった。
「悩んでいてもお腹は減るみたいね」
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