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[No.447-1]折れない心

No.447-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「ん!?これは・・・」

なんだか、芽のようなものが生えてきた。
もちろん、そのつもりで植えたものではあるが・・・。

「ようやく、芽が出たんだね!」

種を蒔く時期が早かったせいなのかもしれない。
なかなか芽が顔を出さなかった。

「昨日、ようやく、ヒョロヒョロっと・・・」

まさしくこの擬音の通りだった。
シャープペンの芯のような細さの茎に申し訳なさそうな双葉。
その弱弱しさといったら・・・。

「そりゃそうよ、生まれたてなんだもん!」
「そうか?きゅうりの時はもっとしっかりしてたけどな」

今年はトマトの種を蒔いた。
もちろん、初めての試みだ。
だから、どんな芽が出るのかは、出てからのお楽しみだった。

「とにかく線が細いから、心配だな」
「ふ~ん、やけにやさしいじゃない?」

別にトマトに限ったことじゃない。
だからといって、きゅうり・・・ということでもない。

「単に僕がお節介なだけだよ、何に対しても」

そのせいで、随分しんどい想いをしたこともあった。
ただ、今回は人じゃなくてある意味、良かった。

(No.447-2へ続く)

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