[No.445-2]目線
No.445-2
「写真だけに流れる独特の時間があるのかもね」
「なんで?」
そんな風に思える写真を見たことがあるからだ。
「私のブログに来てくれる人のブログがそんな写真なんだ」
「ブログ?そう言えば、短編小説書いてたんだっけ?」
私のブログへ頻繁に訪問してくれる人がいる。
自分で言うのもなんだが、何とも完成度が低いのが私のブログだ。
だから、訪問してくれるだけでも感謝している。
「色々な意味で奥行きを感じるんだ」
手前にピントが合っていて、奥がボケている。
単にテクニックだけを言っているのではない。
写真の中にだけ流れる時間をそこに感じる。
「だから、その瞬間を意図的に狙えるのかもしれない」
現実の過ぎて行く時間と写真の中で積み重ねられて行く時間。
ファインダー越しに見る風景は奥へ奥へと時間が経過している。
「何だか私も見たくなっちゃった」
「私なんか、その写真見てるだけで、小説書けそうよ」
嘘じゃない。
撮影者の感じたものが切り取られている。
言うなれば、写真が何かを語り掛けてくる。
「小説はイマイチだけど感受性は高いもんね、一応・・・」
「それ誉めてる?それともけなしてる!?」
その方の写真は実に不思議だ。
写真に引き込まれ、あたかもその中に居る気分になることもある。
時には人間であり、時には昆虫であったり・・・。
実に巧みな目線がそこにはある。
でも、その目線こそ、撮影者の感じたものなのかもしれない。
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