[No.444-1]確率40%
No.444-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
「・・・どうしようかな」
天気予報によれば、今日の降水確率は40%らしい。
確率からすれば、降らないことに軍配が上がる。
「私?・・・持ってきたわよ」
「確率40%なら、降らない確率のほうが高いよね?」
私も50%以上なら、迷わず傘を持って出掛ける。
逆に、30%以下なら持たない。
40%と言う確率が、実に微妙なラインと感じている。
「だって、雨に濡れるよりはマシでしょ」
「けど、結局、降らなかったら?」
「ん?・・・別に何とも思わないけど」
確率50%なら、それこそ1/2の確率だ。
だから、どちらに転んでも案外、諦めが付く。
でも、40%ならそうはいかない。
「損した気分にならない?」
「逆に降らなくてラッキーだと思うけど・・・」
「それより、あなたは傘、持ってきたの?」
「私?持ってきたわよ」
自分とすれば降らない確率が高いにも関わらず傘を持って来た。
だから・・・。
「是が非でも、降ってもらわなければ困るんだよね」
| 固定リンク | 0
「(018)小説No.426~450」カテゴリの記事
- [No.450-2]ハトのフン(2013.05.12)
- [No.450-1]ハトのフン(2013.05.11)
- [No.449-2]制服(2013.05.08)
- [No.449-1]制服(2013.05.07)
- [No.448-2]悩んでいても腹は減る(2013.04.27)
コメント