[No.441-1]引越しソング
No.441-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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今時期は、何かと卒業ソングの話題で盛り上がる。
テレビやラジオがそれをテーマにすることが多いせいかもしれない。
「言うなれば、引越しソングね」
もとは友人と卒業ソングについて話していた。
「そうね、あえて言うなら」
今から6年前、永年住み慣れた街を後にすることになった。
「そっかぁ・・・もう6年なんだ」
ゴールデンウィーク明けに引越しが決まっていた。
そのせいで、ゴールデンウィークは荷造りで消えた。
でも、良いこともあった。
ひとつひとつ噛み締めるかのように、部屋の荷物が整理できた。
「想い出は、それらの中にもあるからね」
自分が写っていない写真、何だかよくわからないキーホルダー。
反面、思い出すのに苦労したものも多かった。
「わかる!わかる!」
「そのせいで、なかなか整理がはかどらなくて・・・」
ひとつ手に取る度に、その想い出を辿る。
辿り着けないものは、思い切って処分することにした。
「へぇ~、私なら絶対できないな」
「でもね・・・結局、持ってきちゃったぁ~!」
処分するために、一応それらをゴミ袋に入れた。
けど、いざとなると捨てられなかった。
「そんなこんななゴールデンウィークに、良く聞いた歌があったわ」
なぜ、その歌だったのか・・・未だに自分でも良く分からない。
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