[No.439-1]待つ少女
No.439-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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朝、週に2回位はその女の子を見かける。
その子は玄関の前にジッと立っている。
親に怒られて立たされているわけじゃない。
友達を待っていることくらい、容易に察しがつく。
「最近、見かけるようになったの?」
「うん、今年になってから一駅歩くことにしたから」
学校の最寄り駅のひとつ手前で降りるようにした。
あまり言いたくはないけど、主にダイエットが狙いだ。
通勤路を大きく変えたことで、新しい出逢いがあった。
「・・・出逢い?」
「違う違う!」
何も出逢いは、人だけではない。
色々な発見も含めて、“出逢い”と表現したまでだ。
「まぁ、いいけど・・・その子に何か特徴でも?」
「どうして?」
「わざわざ話すことなのかな?・・・って」
「至って普通の光景でしょ?」
友人の言う通り、よくある光景だし、自分もそうだった。
朝、友達を待って一緒に学校へ行く・・・ただそれだけのことだ。
「・・・気持ち分かるんだよね」
「何の?」
「待つ身の辛さが」
その子がどれだけそこで待っているのか、確認したわけじゃない。
でも、何となく“待たされている”感が伝わってくる。
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