[No.435-2]夢の跡
No.435-2
確かに、二人に逢えたこともその理由だ。
ただ、それだけではない。
「昨日までそこにいたかのように・・・」
6年と言う時間の経過を感じさせないコミュニケーションが取れた。
“変わらないね”・・・こんな言葉が飛び交った。
「だからかな・・・ちょっと離れ難かったな」
空港に向かう帰りのバスで、ちょっと感傷的な気持ちになった。
「盆や正月と同じで、自宅に戻るだけなんだけど」
「そっか・・・行けて良かった?」
「・・・そうだな、逆に仕事で良かった」
二度と元職場には戻れない・・・そんな覚悟もしていた。
大袈裟だけど・・・。
「そうでもなかきゃ、会社に行く用事もない」
「それに盆と正月は、会社、閉まってるし」
「それもそうね!」
その夢のようなひと時も、次の日には現実に戻ることになった。
「まるで私が悪人みたいじゃない?」
「かもな!」
「もう!知らない!」
戻った後、こう思った。
俺は本当にそこに行ったのだろうか?
もしかしたら、全て夢だったのかもしれない・・・と。
けど、数日後、夢ではないことが証明された。
“お二人”からそれぞれメールが届いたからだ。
(No.435完)
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