[No.435-1]夢の跡
No.435-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
「どうだった?」
里深(さとみ)が、なぜだか嬉しそうな顔をして聞いてきた。
「なんでそんなに嬉しそうなんだよ・・・」
「だって、6年ぶりの元職場でしょ?」
6年前に、その元職場から現在の職場に転勤した。
元職場は言わば故郷にあたる。
だから、プライベートでは盆と正月に毎年戻って来ていた。
「まぁ・・・確かに6年ぶりだったけど」
「・・・なんで嬉しそうなんだよ?話は戻るけど」
「だって、知った顔もいるわけじゃん!」
だからなに?と、突っ込みたくなる。
けど、気持ちは分からなくもない。
実際、あからさまに顔には出さなかったが、楽しみではあった。
「俺が嬉しそうなら分かるけど、なんで里深・・・」
「逢って来たんでしょ?お二人に」
俺の話を遮るように割り込んできた。
なるほど・・・そう言うことか。
「あぁ、逢ってきたよ、お二人にね」
「ふ~ん、やっぱりそうなんだぁ」
嬉しそうな顔の理由・・・好奇心・・・と言ったところだろうか。
「言っとくけど、転勤前も何もないからな」
振り返れば仕事とは言え、自分にとっては夢のような2日間だった。
| 固定リンク | 0
「(018)小説No.426~450」カテゴリの記事
- [No.450-2]ハトのフン(2013.05.12)
- [No.450-1]ハトのフン(2013.05.11)
- [No.449-2]制服(2013.05.08)
- [No.449-1]制服(2013.05.07)
- [No.448-2]悩んでいても腹は減る(2013.04.27)
コメント