« [No.434-2]君と僕 | トップページ | [No.435-2]夢の跡 »

[No.435-1]夢の跡

No.435-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
「どうだった?」

里深(さとみ)が、なぜだか嬉しそうな顔をして聞いてきた。

「なんでそんなに嬉しそうなんだよ・・・」
「だって、6年ぶりの元職場でしょ?」

6年前に、その元職場から現在の職場に転勤した。
元職場は言わば故郷にあたる。
だから、プライベートでは盆と正月に毎年戻って来ていた。

「まぁ・・・確かに6年ぶりだったけど」
「・・・なんで嬉しそうなんだよ?話は戻るけど」
「だって、知った顔もいるわけじゃん!」

だからなに?と、突っ込みたくなる。
けど、気持ちは分からなくもない。
実際、あからさまに顔には出さなかったが、楽しみではあった。

「俺が嬉しそうなら分かるけど、なんで里深・・・」
「逢って来たんでしょ?お二人に」

俺の話を遮るように割り込んできた。
なるほど・・・そう言うことか。

「あぁ、逢ってきたよ、お二人にね」
「ふ~ん、やっぱりそうなんだぁ」

嬉しそうな顔の理由・・・好奇心・・・と言ったところだろうか。

「言っとくけど、転勤前も何もないからな」

振り返れば仕事とは言え、自分にとっては夢のような2日間だった。

(No.435-2へ続く)

| |

« [No.434-2]君と僕 | トップページ | [No.435-2]夢の跡 »

(018)小説No.426~450」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.435-1]夢の跡:

« [No.434-2]君と僕 | トップページ | [No.435-2]夢の跡 »