[No.440-2]居場所
No.440-2
「じゃ、部屋の中、探してもいい?」
菜緒(なお)の表情が変わった。
“待ってました!”と言わんばかりの表情に・・・だ。
「せやったら、あっちの台所探してきて」
「台所?探すところ、たくさんあるな・・・」
それにこの部屋から台所は多少、死角になる。
どうやら、しばらくの間、俺をこの部屋から遠ざけたいらしい。
(なら、素直にそれに従うとするか・・・)
台所の陰から、こっそり覗くことも出来るが、それではつまらない。
「よ~し!こうなったら絶対に見つけるぞ!」
多分、台所では見つからない。
それから、1時間位探してみても、やはり見つからない。
「ふっ~どこにも居ないようだけど・・・」
「・・・やっぱり、ケータイにぶら下がるのが好きなんやろか?」
とってつけたようなセリフだ。
間接的に、ケータイ・・・いや、スマホを見ろと言っている。
「・・・ん?なんだこれ?」
さっきまでとは、スマホを持った手触りが違う。
よく見ると、透明のカバーが取り付けれている。
それを裏返したら・・・。
(No.440完)
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