[No.432-2]約束
No.432-2
何も劇的に寿命が延びる薬の開発を期待しているわけじゃない。
「ただ、ずっと先にゴールを持ってきただけ」
「・・・ずっと先?」
60歳になっても80歳になっても、まだまだゴールは先になる。
ゴールに近付くためには、生き続けなければならない。
それをブログを書き続けるということに置き換えた。
「具体的な目標・・・ってこと?」
「・・・だな、妖怪じゃないんだから、何もなく生きられないだろ?」
「妖怪には悪いけど」
正直に言えばそれまで続けられる自信は全くない。
けど、具体的にやるべきことが明日もある。
単純だけど、一日一日をそれで乗り越えて行く。
そんな意味を込めて、約束を交わした。
「ちょっと、ロマンティックな話ね」
「嫉妬した?」
「・・・別に」
そう言いながらも、何となく不機嫌そうな顔だ。
「冗談と分っていても、本気でこれに応えてくれる」
「それが嬉しくもあるな」
軽く受け流すわけではなく、本質を見抜いて応えてくれる。
だから、多少照れくさい話でもできるのかもしれない。
「こうなったら、私は151歳まであなたと一緒に生き続けてやる!」
「・・・僕は最初から、そのつもりでいたけど?」
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