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[No.431-2]みゆき通り

No.431-2

私も学生時代、お世話になった。
通学路とまでは行かないが、学校の帰りによく立ち寄った。

「こんなレアな話で盛り上がれるなんて、考えても見なかった」

ローカルになればなるほど逆に話が盛り上がる。

「それにしても懐かしいなぁ~」
「・・・だね!」
「みゆき通りで繰り広げられた、恋の話もあるんじゃない?」
「まぁ・・・ね」

特段、デートコースになるようなものはなかった。
ただ、恋愛初心者にとっては都合が良かった。

「映画館も喫茶店もあったしね」

とにかく、デートの定番をこなすことができた。
もちろん、彼がこなしていたことにはなるが・・・。

「そうそう!私たちも初心者だったから、喫茶店にはよく行ったわね」
「照れもあって、2階の窓から通りを眺めていたわ・・・お互い」
「・・・2階?」

(それって、もしかして・・・)

「その喫茶店・・・狭い階段を上がって行かなかった?」
「・・・そうね、確かにちょっと窮屈だったわ」

思い当たる喫茶店がある・・・と言うか、当時ならそこしかない。

「ブラジル!」 「ブラジル!」

ふたりの声が重なった。
No
(No.431完)
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