[No.430-2]君は何番目なの?
No.430-2
「別にそれがどうしたってことはないんだけど・・・」
一人暮らしの私にとっては、多少通ずるものがある。
寂しさと・・・。
「・・・たくましさ?」
「よく分かったわね!」
「あなたを見てたら分るわよ」
そのネコに何かを重ね合わせていたのかもしれない。
どちらも地球の上の同居人だ。
「まっ、相変わらず人には馴れてないようだけど」
未だに私の顔を見ても、逃げてしまう。
ただ、昔よりは逃げるタイミングが遅くなってきた。
「よっぽど、怖いんじゃない?」
「それって・・・顔それとも性格?」
「・・・今はどちらも!」
「こらっ!」
今日も例のネコを見掛けた。
いつもより、お互いの距離は近い。
「君は、何番目なの?」
一瞬、私の声に反応したが、そのまま草むらに消えて行った。
その瞬間、鳴き声が聞こえた。
“ニャァ~ニャァ~”
その答えなのか、私の悪口なのかは、それは分らない。
(No.430完)
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