ホタル通信 No.155
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.173 イバラの道
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性
この小説は時々登場する“哲学チック”な作品の代表例と言えるでしょう。
内容そのものの実話度はゼロですが、その背景にあるものは事実であり、それを“イバラの道”と言う言葉にギュッと凝縮しました。従って、極端に言えば、この言葉だけで作品を創り上げています
背景・・・何となく、分って頂けると思います。
お世辞にも明るい話ではありませんが、それほど暗い話でもありません。
平凡と思われる毎日に、突如として現れた“イバラの道”でも、イバラの道は何も特別なものではなく、その平凡な毎日にでさえ、トゲがある。
ラストを飾る「人生と言う道はどの道も少なからず、いばらの道なんだ」と言う部分にはそんな想いを乗せています。
当時、自分自身にそれこそイバラの道が突如現れ、まるで試されているかのように“進むべきか進まざるべきか”の選択に迫られたことがありました。
その時の心の葛藤を、少し哲学的なセリフを並べて表現してみました。案外、悩まずにスラスラ書き終えた記憶があります。
当時・・・とは書きましたが、小説を書いた時点では、それは既に過去のことであり、冷静に振り返ることができたせいで、筆が進んだのだと思います。
で、“イバラの道”を進んだのか、進まなかったのか・・・。
結局、私は進みませんでした。小説の言葉を借りれば、「その道を行かなければ“賢者”と褒め称えられる。けど、陰では“臆病者”と失笑をかう」になるのでしょうね
道こそ進みませんでしたが、今でも心のどこかにトゲが刺さっている気がします。でも、そのトゲは決して、私に痛みを与えるトゲではありません。
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