[No.422-2]鍵
No.422-2
「ふ~ん・・・で、この“安物”がお目に叶ったわけね」
「そう!このフィット感がいいのよね」
しばらくぶりにキーホルダーを替える気になった。
「ねぇ・・・どうかしら?」
「どうって言われても・・・」
(これはどうしよう・・・)
感想を求めながらも前のキーホルダーのことが脳裏をよぎる。
「どうしたの・・・考え込んじゃって?」
キーホルダーを付け替えるということは前のが余る。
余る上に、もう使い道は残されていない。
「もう、時計としても機能してないわけでしょ?」
「そんなの捨てちゃえばいいじゃん」
確かに言う通りではある。
この鍵に付いていたからこそ、ここまで長く使うことができた。
そうでもなければ、とっくの昔に捨てていただろう。
「そうなんだけど・・・」
言うほど愛着があるわけではない。
ただ、捨てるのには忍びない。
「じゃあ、使ってあげるから私に頂戴!」
「えっ!?」
以前もこんなことがあった気がする。
ただし、それは鍵ではなく・・・。
(No.422完)
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