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[No.421-2]名誉の傷

No.421-2

「血は出たの?」
「いや・・・そうでもなかったな」
「保健室でしばらく寝てはいたけど」

本当にそうだろうか・・・。
傷跡を見る限り、決してそうだとは思えない。
一瞬、血まみれの彼の顔が脳裏に浮かんだ。
さながら、ホラー映画のようだった。

「ただ、俺以上にその子がびっくりしちゃって」
「そりゃ、そうでしょ・・・」

その子もそうなるとは考えていなかったのだろう。
あくまでも日常の延長線だったに違いない。

「それで・・・目覚めたら、その子が傍らで泣いてるし」
「もともと原因を作ったのは俺の方なんで、逆に申し訳なくて」

「その子とはそれ以来どうなったの?」

今の時代なら、それこそ大問題になる。
学校、そして親のしつけがどうとかこうとか・・・。

「しばらくして転校したよ、でも・・・」
「これが原因じゃなくて、以前から転校することは決まってたんだ」

「・・・じゃ、お互い好都合って感じ?」

色んな意味を込めて、彼に問い掛けた。

「どうだろう・・・ただ、ちゃんと謝れていないことが心残りだけど」

自分の傷より、その子の心の傷ってことか・・・彼らしい。

(No.421完)
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