[No.421-1]名誉の傷
No.421-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(男性)
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「ねぇ、その額の傷・・・」
前から気にはなっていたが聞けずにいた。
「これか?小学生の頃にな・・・」
彼と付き合いだして、丁度1年が過ぎようとしていた。
だから、思い切って聞いた。
「前の席の女子の筆箱が当たったんだよ」
「当たった?」
どんなシチュエーションだったのだろうか?
後ろの席ならまだしも前の席となると、イメージし難い。
「あぁ、振り向きざまに筆箱を投げつけられたんだ」
「そうなんだ・・・って、え~!?」
まさしく当たったのではなく“投げつけられた”が正しい。
その時、何があったというのか・・・気になる。
「その日もいつもの通り、ちょっかいかけてたら・・・」
「振り向きざまに、筆箱が飛んで来て」
小学生の男子と女子の関係はそんなものだろう。
好きな女子ほど、からかってしまうとか・・・。
「好きだったの?その女の子?」
「今思えばそうだったかもしれない」
額の傷は2cm程度だろうか・・・そこそこ大きく見える。
でも、幸に髪を下ろしてしまえば全く見えない。
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