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[No.419-1]フリージアの雨

No.419-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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そうドラマのようにはいかない。
雨に打たれても、決して絵にはならなかったからだ。

「どうしたの!?びしょ濡れじゃない!」
「まぁ・・・色々あって」

もともと雨足が緩かったことにあった。
だから、これくらいなら大丈夫だと思った。

「・・・聞いた方がいい?」
「うん・・・聞いて欲しい」

これほどの雨に打たれるのは想定外だった。
けど、それに似たようなことになるのは想定していた。

「結局、別れちゃったんだ・・・」
「随分前から、こうなる予感もあったし」

だから、今日、呼び出されて覚悟は決めていた。

「だからと言って、傘ぐらいさせばいいじゃない!?」

そう言うと、私の傘に視線を移した。

「だってそんな気分じゃなかったし・・・」

涙を雨で隠すとか・・・そんなことは考えていなかった。
意味もなく、雨に打たれたい気分だった。

「ドラマでもよく見かけるシーンでしょ?」
「・・・だけど、あなたを見る限り、絵にはなっていないよ」

(No.419-2へ続く)

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