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[No.416-1]タイムマシン

No.416-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「あっ・・・こんな所に」

年末の大掃除に向けて、本棚を動かした時だった。
棚の後ろから、ホコリにまみれた一枚のCDが出てきた。
ホコリがすごくて、誰のCDか分らない。

「誰のだろう?」

それ以前に、失くしたことにも気付いていない状態だ。

(CD聞くこと・・・減ったね)

本棚にはそんなに多くはないものの、CDも収納している。
ただ、ここ数年手に取った記憶がない。

「・・・これって!?」

ホコリをはらうと、そこに見覚えのあるジャケットが出てきた。
それも、私が初めて買ったCDだった。

(彼、今頃どうしてるかなぁ)

同じ時期に、彼氏が出来た。
私が高校生2年生の時だった。

「あの時、励ましてくれたよね?」

CDに収録されていた歌が、そのまま私に対する応援歌になった。
単なる偶然だとしても、随分助けられた。
・・・なのに今は忘れてしまっただけでなく、ホコリまみれに・・・。

「ごめんなさい・・・」

なぜかしらCDに謝る。

「それはともかく・・・掃除しなくちゃ!」

(No.416-2へ続く)

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