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2012年12月

[No.420-1]買えない自転車

No.420-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
これで3台目になる。

「また買い替えたの!?」
「ん?そうよ、そんなに高い買い物じゃないし」

別にセレブを気取るつもりはない。

「だって、1年も経ってないんじゃない?」
「そうね・・・ギリ、1年ってかんじかな」

(そんなことを言い出したら・・・)

「じゃ、そのスマホはどうなのよ?」
「これ!?これは機能が進化するからじゃない」

まるで、私のは進化しないとでも言いたそうだ。

(まぁ、確かにそうなんだけど)

自転車通勤を始めてから、丁度5年くらい経過している。
その間に乗り換えた自転車は今回で3台目だ。

「約1.7年で1台のペースよ?」

比較するものがないから、早いとも遅いとも言い難い。
ただ、一般的には早く感じるのだろう。

「いいじゃん、自分のお金をどうつかおうが・・・」

洋服やアクセサリーにお金を使うのと何ら変わりはない。
けど、自転車に固執する理由がないわけでもない。

(No.420-2へ続く)

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ホタル通信 No.149

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.65 夜景
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

いわゆるショートショートに近い感じでしょうか・・・冬のホタ
ルらしからぬ雰囲気を持った作品です。

実話度は、ストーリー的にはゼロなんですが、舞台となる
“夜景を一望できるこの場所”は実在し、実際にその場所に
行ったこともあります
夜景って不思議なもので、心に訴え掛けてくる分、逆に心の
奥底に眠っている何かを呼び起こしてしまう、そんな気がし
ています。

では、内容に触れて行きますね。
冒頭、ショートショート風と書いたのは、良く言えば、会話が
不思議系で進むからです。逆に悪く言えば、分かりにくいと
言うことになります。
前半は私の苛立つ心の内を表現しています。当時、何を苛
立っていたのかは残念ながら覚えていません。
登場するひとりの男性。かなり、唐突な登場であり、気の利
いたことを言っているような、いないような・・・

はっきりとは覚えていませんが、本来はこのようなオチを持
ってくる予定ではありませんでした。何となく男性を登場させ
てしまったことで、どうにも収まりが悪くなり、ちょっと狙い過
ぎな内容になってしまいました。
彼氏が居る、居ないのくだりは少し説明が必要ですね。自分
で読み返して見ても、最初は意味が分かりませんでした。
つまり、次の通りです。

私に彼氏が居ても居なくても、その男性は「彼氏が居る」と言
うつもりだったんです。
彼氏が居なければ、今この瞬間に彼氏が出来た・・・つまり、
その男性が彼氏に立候補したとでも言いましょうか。
そして本当に彼氏が居たとしたら彼の言ったことが当たった
ことになります。
だから何なんだ・・・と言うような話なんですが、情景とともに
ふたりの会話をちょっと感じて頂けたら、きっと何かが分かる
と思います
No149

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[No.419-2]フリージアの雨

No.419-2

友人が言う通り、絵にはなっていない。
窓に映る私の姿は、さながら落ち武者のように見える。
それほど、悲壮感が漂っているからだ。

「貞子みたいね」

落ち武者ならぬ“貞子”と言われた。
どっちもどっちのような気がするし、もっと酷いような気もする。

「ちょっと、貞子って・・・」
「・・・それなら恨んでやる~!」
「キャ~!!」

怒るつもりが、なぜだか安っぽいコントに変わってしまった。

「あ~ぁ、もうどうでもよくなってきちゃったよ」
「悲しみが雨と一緒に流れて行ったからじゃない?」

さっきまでの友人とは違い、急にしゃれたセリフを投げ掛けてきた。

「そう考えると、雨に打たれて良かったかもね」
「そうね・・・まぁ、見た目は悲惨だけど」
「言わないの!」

ただ、友人の言う通り、見た目は最悪だ。
それに、改めて冷静になってみると、恥ずかしい。
ここがカフェの一角だからだ。

「きっと周りの人は、変な奴って思ってるでしょうね」
「大丈夫よ、その傘を私に貸してくれれば」

(No.419完)
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[No.419-1]フリージアの雨

No.419-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
そうドラマのようにはいかない。
雨に打たれても、決して絵にはならなかったからだ。

「どうしたの!?びしょ濡れじゃない!」
「まぁ・・・色々あって」

もともと雨足が緩かったことにあった。
だから、これくらいなら大丈夫だと思った。

「・・・聞いた方がいい?」
「うん・・・聞いて欲しい」

これほどの雨に打たれるのは想定外だった。
けど、それに似たようなことになるのは想定していた。

「結局、別れちゃったんだ・・・」
「随分前から、こうなる予感もあったし」

だから、今日、呼び出されて覚悟は決めていた。

「だからと言って、傘ぐらいさせばいいじゃない!?」

そう言うと、私の傘に視線を移した。

「だってそんな気分じゃなかったし・・・」

涙を雨で隠すとか・・・そんなことは考えていなかった。
意味もなく、雨に打たれたい気分だった。

「ドラマでもよく見かけるシーンでしょ?」
「・・・だけど、あなたを見る限り、絵にはなっていないよ」

(No.419-2へ続く)

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[No.418-2]腹話術

No.418-2

「どうだ・・・良い眺めだろ?」

窓際にせいじゅうろうを座らせた。
百万ドルとは行かないまでも、それなりに夜景が綺麗だった。

『そうですな』

もちろん、せいじゅうろうがしゃべったわけではない。
それに、出張前のように菜緒がしゃべっているわけでもない。
あくまでも俺の心の声だ。

「菜緒にも見せたかったな・・・」

せいじゅうろうには悪いが、こいつは身代わりみたいなものだ。
菜緒の代わりに、俺と行動を共にする。
せいじゅうろうの目を通じて、彼女に伝えたかった。
もちろん、現実的にそれはありえないことだと分っていても・・・。

「そうだな・・・記念撮影でもしようか?」
『そうですな!』

せいじゅうろうから元気な声が返ってきた。

(・・・で、どこにしようか・・・)

夜景をバックに・・・も魅力的だが、撮影が難しい。
それなら・・・。
部屋のスタンドが良い雰囲気をかもし出している。

「たまには、こんな場所でも如何かな?」

もちろん、二つ返事だった。

「じゃあ、はいチーズ!」

それから、2週間ほど全国を飛び回り帰路についた。
実はそれからが大変だった。
仕事とは言え、みやげ話をするはめになったからだ。
でも、みやげ話自体が大変だったわけではない。
せいじゅうろうを通じて腹話術のように話すことが大変だった。No418
(No.418完)
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[No.418-1]腹話術

No.418-1    [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
(さて・・・と)

今日からしばらく留守にする。
仕事の都合であちこち出張するためだ。

「いつ戻りはるん?」
「へっ?」

何とも間の抜けた返事をしてしまった。

「び、びっくりしただろ・・・」

せいじゅうろうが話し掛けてきたようにみえたからだ。
もちろん、声の主は菜緒(なお)だった。

「戻りは来週になるよ」

約2週間ほど、全国を飛び回る。

「大変やね~」
「・・・だから、せいじゅうろう越しにしゃべるの勘弁してよ」

さながら腹話術を見ているようだ。

「寂しいですな~」
「それは、せいじゅうろうか?それとも菜緒か?」
「どっちもですな」

そう言われると何とも後ろ髪を引かれる想いになる。
ただ、さすがに連れて行くわけにはいかない。
単なる旅行ではないからだ。
いや、待てよ・・・。

「そうだ・・・せいじゅうろうを連れて行こう!」

胸のポケットに入るサイズだ。

「お願いだから、そう恨めしそうな顔しないでよ~」

“どうせ、うちは留守番ですよ!”と顔に書いてある。

(No.418-2へ続く)

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ホタル通信 No.148

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.61 彼が居ない季節
実話度:☆☆☆☆☆(0%)
語り手:女性

話のきっかけは何かあったはずなのですが・・・実話度がゼ
ロだけにインパクトがなく、はっきりとは思い出せません

前述通り、記憶は確かではないのですが「多分、こうだろう」
を前提に話を進めて行きますね。
この話のキーワードは彼氏が居る、居ないではなく、単純に
“夏”です。小説の作り方に多少作者のクセがあり「楽しい」
なら「悲しい」、「明るい」なら「暗い」など、状況に対して逆の
シチュエーションを用いることが多々あります。
それでこの小説には、“夏”に対して、その逆として“彼氏が
居ない”というシチュエーションを設定しました。

・・・とは言うものの、初期の作品でもあり、ちょっと残念な仕
上がりです
実話度ゼロの場合、“何か狙っているもの”がありますので
今回も何かを狙っていたんでしょうね・・・はっきりとは覚えて
いませんが。
全体的にコミカルな展開にしているのは、面白おかしくする
ことが目的ではなく、友人同士のワイワイガヤガヤの雰囲気
を出したかったからです。それこそ、いつもの日常を切り取っ
てみたようなものです

前半が何となく、詩人っぽい作りになっていることを考えると
多分、前半メインで話ができたと思います。
何度かお話している通り、ラストやオチに相当する部分は後
で考える・・・というより、成り行きに任せています。
もともと、日常を切り取った話ばかりですから、都合よくオチ
があることが逆に珍しいくらいです。ですが、そうでもしなけ
れば、やはり話としては締まりませんから、あえて締めるよ
うに心掛けています。
No148

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[No.417-2]待ち合わせ

No.417-2

「なんか、変な感じだよな」

・・・というより、正直照れくさい。
いつもは駅で待ち合わせるのに今はふたりで向かっている。

「でも、タイミング良かったやん」

確かにそのお陰で、こうして“待ち合わせる前”にふたりで居れる。
変な感じでもあり、新鮮な気分でもある。
電車に揺られるふたり・・・このまま時間が止まれば良いとさえ思う。

「ちゃんと先頭に居てくれたからすぐ見つけられたよ」

大勢の中からでも、亜矢(あや)を見つけられる自信はある。
僕の目が良いからではない。
彼女は良い意味で目立つのだ。

「うちもすぐに分ったんやで」

亜矢の場合は、目が良いからだろう。
僕が目立っているからではない。

「なんか、いつもと違うからちょっと緊張するな~」
「うちも!」

その元気な声からすれば、とても緊張してるとは思えない。
ただ、それが照れ隠しのようにも見える。

「もうすぐ駅につくよ」
「そやね!じゃ、待ち合わせ場所で先に待ってる」
「え~!?」

数分後、待ち合わせ場所に到着した。
そこにはいつもの通り、亜矢が居た。
No417
(No.417完)
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[No.417-1]待ち合わせ

No.417-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
『今、どこにおるん?』

亜矢(あや)からメールが届いた。

『電車の中だよ』

亜矢との待ち合わせの時間は19:00だ。
逆算すると、もう電車に乗っている必要があるからだ。

(何だろう?遅れるのかな・・・)

『何かあった?』
『うちこれから電車乗るねん!天王寺から』

(天王寺から?珍しいな)

いつもなら違う所から、京橋に向かっていたはずだ。
それより・・・天王寺・・・。

(あっ、そうだ!)

『僕も乗ったばかりだから、次の駅で待ってるよ』

向かう駅は同じだ。
自分が先についても結局、亜矢を待たなければならない。

『ええの?』
『全く問題なし!じゃ先頭車両に乗ってて』

同じ電車に乗っても見つけられなければ意味がない。

『ラジャ!』

いつもの返事を確認した後、僕は電車を降りた。

(No.417-2へ続く)

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[No.416-2]タイムマシン

No.416-2

「あんたね、掃除ってのは、まず捨て・・・」
「あ~!それは分ってるから!」

掃除に小うるさい友人に話したのが誤りだった。
ただ、長い話になる前に、強引に終了させた。

「・・・なら、いいけど、でもね」

仕方ない少しだけ話に付き合おう・・・。

「・・・で、分った?」
「そ、そりゃもう!」

まずは話を合わせるのが先決だ。

「でも、歌って不思議よね」

見つけたCDに懐かしさを感じたわけではない。
それに繋がる想い出に懐かしさを感じた。

「それこそ想い出のタイトルは、その時々の“歌”かもしれない」
「それ、分かる気がする」

それに単に想い出すのではなく、DNAが騒ぎ出す。

「どういう意味?」
「なんて言うか・・・体ごと昔に戻った気がするの」

頭の中だけで想い出が広がるのではない。
血が、それこそDNAまで想い出が広がる。

「だから、歌を聞くとタイムマシンで過去に戻る気がするの」
「・・・ギリギリ、理解できる話ね」

「さてと・・・今日は・・・」

3年前のあの出来事に向けて、今からタイムマシンに乗る。

(No.416完)
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[No.416-1]タイムマシン

No.416-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
「あっ・・・こんな所に」

年末の大掃除に向けて、本棚を動かした時だった。
棚の後ろから、ホコリにまみれた一枚のCDが出てきた。
ホコリがすごくて、誰のCDか分らない。

「誰のだろう?」

それ以前に、失くしたことにも気付いていない状態だ。

(CD聞くこと・・・減ったね)

本棚にはそんなに多くはないものの、CDも収納している。
ただ、ここ数年手に取った記憶がない。

「・・・これって!?」

ホコリをはらうと、そこに見覚えのあるジャケットが出てきた。
それも、私が初めて買ったCDだった。

(彼、今頃どうしてるかなぁ)

同じ時期に、彼氏が出来た。
私が高校生2年生の時だった。

「あの時、励ましてくれたよね?」

CDに収録されていた歌が、そのまま私に対する応援歌になった。
単なる偶然だとしても、随分助けられた。
・・・なのに今は忘れてしまっただけでなく、ホコリまみれに・・・。

「ごめんなさい・・・」

なぜかしらCDに謝る。

「それはともかく・・・掃除しなくちゃ!」

(No.416-2へ続く)

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