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[No.414-1]一期一会

No.414-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「なんで連絡先、聞かなかったのよ!」
「そう強く言わないでよ・・・」

本来、強く言われる筋合いはない。
とかく恋愛になると鬱陶しいほど、友人は熱くなる。

「だって、せっかくのチャンスだったわけでしょ!?」

さも現場に居たかのような発言だ。
これもまた友人の特徴でもある。

「別にそんなつもりじゃなかったの」

先週、社外で実施されたセミナーに参加した。
5日間の宿泊型で全国から人が集まっていた。
そこで、同じセミナーに参加していた男性と知り合った。

「“避暑地の恋”になってたかもしれないのよ!?」
「あのね・・・」

ある意味、避暑地だ。
自然に囲まれ、一時的にでも都会の雑踏を忘れることができた。
ただ、ある意味では・・・。

「人里離れた、山の中なんだよ?」

どこにでもあるはずのコンビニさえない。
ない・・・というより、車で1時間ほど走ればある。

「逆に、恋愛しかすることがなくていいじゃない!」
「あのね・・・」

何度、“あのね”と言えば済むのか・・・。
ただ、軽く否定はしたものの、そう思わなくも無い。
確かに“仲間意識”は芽生えやすいと思う。
閉鎖的な環境、同じ目的、こころざし・・・。

「例えるなら無人島での男女の関係ね!」

(No.414-2へ続く)

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