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[No.409-1]アイドル

No.409-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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彼女に良く似たアイドルが華やかにステージを彩っている。
彼女とは言っても、付き合っているわけではない。
あくまでも、女性の呼び方のひとつとしての“彼女”だ。

「・・・うちの顔になんか付いてるん?」
「ん?・・・いや、ごめんごめん!」

無意識に彼女の顔を見つめていたようだった。

「考えごとしてたら・・・」
「・・・どんな?」

嘘ではないため、答えに困る。

「ほら、人には言えないこともあるだろ?」
「・・・せやね・・・わかった!」

拍子抜けするほど、あっさり引き下がる。
多少、問い詰められた方が良かった気がしないこともない。

「この子、めっちゃかわいいやん!」
「誰かに似てるんだよな~」

ちょっと、あることを確かめてみた。

「だれなん?」
「ここまで出掛かってるんだけど・・・」

僕は悩んでいる振りをした。
でも、彼女は真剣に悩んでいるようだった。

「・・・まっ、そのうち思い出すよ」

これではっきりした。
彼女はそのアイドルが自分に似ていると思っていない。
恐らく、他人に言われたこともないのだろう。

それに、もうひとつはっきりしたことがあった。

(No.409-2へ続く)

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