[No.405-1]御堂筋線
No.405-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「じゃあ、また」
「うん」
ごく短い言葉を交わしてから、奈美(なみ)の背中を見送る。
けど、すぐに行き交う人の波にのまれ、その姿を見失った。
「もっと居たいけど用事があるねん」
以前なら、サラッと受け流していただろう・・・でも今は違う。
「どんな用事?」
「撮影があるんよ」
今更、驚きはしない。
奈美がモデルの仕事しているのは知っている。
ただ、いわゆる表立ったモデルとは装いが異なっていた。
「何時までならいいの?」
「せやね~15時までなら」
面倒を避けるなら、OLだと言えば済む。
それでも面倒なら、フリーターやアルバイトと言えばいい。
けど、奈美はあえて面倒な方を選んだ。
「わかった、15時だね」
だから、ウソも付いていないし、隠そうともしない。
ただ・・・何かを避けている。
「うち、行きたいとこあるねん!」
「どこ?」
僕の問いは答えず、とりあえず僕を腕を引っ張る。
その雰囲気から、目的の場所は近くだということがわかる。
案の定、数分後には目的の場所に到着した。
「ここにも売ってたんだ!」
目の前に見慣れたキャラクターが山積みになっていた。
「どれにする?」
「・・・どれって?」
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