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[No.403-1]時は流れる

No.403-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「あっ・・・」

お気に入りのホームページが閉鎖されていた。
いわゆる、ページが見つからないのではない。
はっきりと“閉鎖のお知らせ”が掲載されていた。

(続くね)

1週間前、近所のカフェが閉店した。
日曜の午後はそこで過ごすのが定番になっていた。
それが・・・突然の閉店だった。

「なんだか元気ないわよ?」
「あっ!ごめん・・・」

同僚が気を使ってくれたけど、理由はそれじゃない。

「転勤のこと言ってる?」
「やっぱり、ブルーになっちゃうよね」

ゼロではないが、ブルーになるほどでもない。

「それより、他に理由があるんだ」
「他に?もしかして・・・」
「ん?違う違う!居ないのは知ってるでしょ?」

ホームページ、近所のカフェ・・・。
単なる偶然だろうが、他にも似たような出来事が続いた。

「まるで私の転勤に呼応するかのように」

次々に馴染みのものが姿を消して行った。

「私の想い出まで消されていくようで・・・」

偶然だと分っていても、こうも重なると文字通り“重く”なる。

(No.403-2へ続く)

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