[No.401-2]水なす
No.401-2
“すっぱいぶとう”かもしれないが、そう思うことにした。
水なすのことは最近知った。
たまたま別の用事で立ち寄った場所が、その名産地だった。
やたら水なすを強調した店先ののぼりが気になってはいた。
「でも後で聞いたんだよな、美味しいって」
結局、気になりながらもその場所を後にした。
「・・・で、何の気なしに聞いたら・・・」
「美味しいって?」
「それに“考えが変わるほどに”って言うもんだから」
居ても立っても居られず、その足で近くのデパートへ向かった。
「冷静なってみると近くのスーパーでも売ってたけどな」
その時は、そこそこ値が張り、やや特殊な存在と聞かされていた。
だから、確実に手に入れるため、デパートを選択した。
「結構、行動力あるのね!」
「まぁな、食に関しては」
実際、髪を切りに行くことすら、面倒に感じる自分だ。
ん?・・・髪・・・切る・・・!
「あっ!さっき、髪がすっきりしたことを問い掛けただろ?」
「ん?・・・そうよ」
なんだ・・・ちゃんと耳に入っているじゃないか。
「じゃあ、どうして“水なす食べたい”になるんだよ」
「だって、水なすっぽかったんだもん!髪型を含め」
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