[No.401-1]水なす
No.401-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
-----------------------------
「どう?すっきりしただろ?」
行動力が欠けているせいか、しばらく髪を切りに行ってなかった。
でも、昨日ようやく切りに行けた。
「水なす、食べたい・・・」
「へっ?」
思いも寄らない言葉に、なんとも間の抜けた返事をしてしまった。
ただ、思いも寄らないとは言え、思い当たる節はある。
「そんなに美味しかった?」
「えっ!私、何か言った?」
「水なす食べたい・・・って言ったけど」
うわ言のような雰囲気は漂っていたが・・・。
「あっ・・・うん・・・確かに食べたい」
答えになっているようで、なっていない。
「また買って来ようか?」
少々値は張るが、確かに美味しい。
愛奈(まな)から、うわ言のような言葉が飛び出すのも理解できる。
「いいの?」
「それほど美味しかったんだろ?」
(それにしても・・・)
愛奈に何かを問い掛けていたはずなのに、もう思い出せない。
「やったぁー!」
まぁ、いい・・・どうせ思い出すほどのことでもないのだろう。
| 固定リンク | 0
「(017)小説No.401~425」カテゴリの記事
- [No.425-2]うれしい一言(2013.01.27)
- [No.425-1]うれしい一言(2013.01.25)
- [No.424-2]LINE POP(2013.01.20)
- [No.424-1]LINE POP(2013.01.19)
- [No.423-2]崩れた壁(2013.01.16)
コメント