ホタル通信 No.141
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.144 彼の傷
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性
最初にネタばれさせておきましょう。小説上では女性が男性を傷付けたようになっていますが、現実はその逆です。
それでは、もう少し話を進めて行きましょう
前述通り、男性が女性を傷付けてしまったことは事実です。
ただ、作者がどちらであるかはいつも通り、秘密とさせてくださいね。
また、ちょっとややこしいですが、小説上の男女を入れ替えて読み直して頂けませんか?同じ話であっても、感じ方が変わってくると思います。
例えば、後半冒頭を女性に置き換え、2行目まで続けると次のようになります。
「知っての通り、私の人生はお世辞にも幸せじゃない」
「子供心に、随分傷付いたしね」
“僕”が“私”に替わっただけですが、これである事実が浮かび上がってきます。つまり、この“私”という女性は当ブログで度々登場する“ある人”に他なりません。
もちろん、“ある人”は他人かもしれませんし、作者そのものかもしれません。
小説の内容が特にグロテスクということもなく、どちらかと言えば淡々と話が進んで行きます
ただ、表面的にはそうであっても、事実はこんな程度では済まないため、例え、それを知らない方々に公表するのであっても、少しためらいがありました。
そこで、性別を入れ替え、第三者的な立場でそれらを描いて行こうと考えた次第です。
彼の傷・・・ではなく、“彼女の傷”が正解ですよね。
その傷は目に見えないものもあれば、目に見えるものもある。それに浅い傷もあれば、深い傷もある。
その傷が癒えることはなかったけど、一緒に泣いたり、怒ったり、笑ったり・・・少しでも同じ時間を共有することで、何らかの答えを見出そうとしていました。
全体的に冬のホタルらしい重いムードでラストを迎えようとしていたので、ラストは少しコミカルにしてみました。
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