[No.399-2]幼い恋
No.399-2
それもあるのだろうか・・・。
見た目はかなり童顔と言える。
ただ、行動も含めると、決して悪く言うつもりもないが幼く感じる。
「それにしても大きなかばん持ってるね」
「これ?色んなもんが入ってんねん!」
よほど二十歳過ぎの大学生とは思えないものが続々出てくる。
「それ・・・なに?」
「これ?かえるのご隠居やん!」
かろうじて、かえるのぬいぐるみだと見てとれる。
しかも、手作り感が満載だ。
「まぁ、それはおいといて・・・」
そのネーミングからして危険なものを感じた。
だから受け流すことにした。
「・・・それはバナナ?」
「違う、バナナ入れ」
よく見ると、硬そうなバナナの形をしている。
だからこそ、バナナ入れなんだろうけど・・・。
「なんでそんなものが?」
「便利なんやで!ほら!」
「わぁ!」
本当にバナナが入っていた。
ただ、かなり熟していたのが気にはなったが。
彼女を好きになったのは、ひたすら純粋な幼さに惹かれたからだ。
それに、この僕も幼かったからだ。
(No.399完)
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