[No.396-2]洗濯日和
No.396-2
決して他人には聞かせられないような話だ。
正直、恥ずかしいからだ。
でも、反面話すと、この上なく楽しい。
「じゃ、お風呂の準備を・・・」
洗面台にぬるめのお湯を張った。
お風呂にしては大きすぎるが、露天風呂・・・ということにした。
「準備はこれでヨシ!・・・と」
「じゃ、着ぐるみを脱がさんとアカンな」
設定上、着ぐるみらしいから、それを脱ぐ必要がある。
まぁ、あくまでも設定上だが・・・。
「そうだな・・・確か背中にチャックがあったよな?」
「うん!うちが脱がす~」
実際には脱がせることはできない。
そのような作りにはなっていないからだ。
だから、あくまでも脱がす振りだけだ。
「あっー!」
「ど、どうした?火傷!?」
お湯はぬるめにしたはずだ。
「違うねん!チェックがあらへん!」
確かに以前はあったチャックがちぎれてなくなっていた。
・・・ということは・・・。
「お風呂に入られへん!」
だから、俺のせいじゅうろうは今も汚れたままだ。
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