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[No.395-2]漢字検定

No.395-2

「そう言えば・・・」

おかしな表現だが“生”で字を書くことが少ない。
今じゃ、多少お堅い書類だって、パソコンで作成できる。

「字が下手な私にとっては好都合だけど?」
「・・・なんて、いうか、ほら・・・あれよ」

普段、使い慣れない言葉だけあって急には出てこない。

「・・・そう!“人となり”が見えるじゃない!」

単に字が綺麗、汚いではない。
きっちり書く人、荒っぽい字の人、その人の本質が見える気がする。

「メールだって、絵文字とかあるじゃん!」
「それは表面上の感情表現でしょ?」

文字だって、その時の感情が出ないわけではないだろう。

「そんなに言うなら今度、手紙書くから」

「じゃ・・・私はそれに返事を書くわ」

いつの間にか、話が大きく変わっていた。

「漢字検定が・・・手紙になっちゃたわね」
「私、悪いことしたかな・・・」
「別にいいよ、私の手紙、しっかり添削してよね!その実力で」

(No.395完)
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