« [No.394-2]はやさの時代 | トップページ | [No.395-2]漢字検定 »

[No.395-1]漢字検定

No.395-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
「そう言えば、漢字検定持ってたよね?」
「もう、自分で調べなさい!」

漢字検定を持っていることを誉めようとしていたのではない。
辞書代わりに利用しようとしている。

「だってぇ、面倒なんだもん!」
「ケータイでも調べられるでしょ?」

何のためのケータイ電話か分からない。
まぁ、友人の場合は、ほとんどゲーム機化しているが・・・。

「まったく・・・それで、なんて漢字?」

結局、甘やかせてしまった。

「そうこなくっちゃ!」

ケータイに頼ればいい・・・さっきは確かにそう言った。
けど、それこそが漢字離れの弊害かもしれない。
それに、漢字離れだけではなく・・・。

「話は変わるけど、見たことない・・・」
「何を?」
「あなたの字」

逆に私の字も、友人は見たことないだろう。
私たちの世代は完全にメール文化が根付いている。
それこそ“手紙”なんて書いたことがない。

(No.395-2へ続く)

| |

« [No.394-2]はやさの時代 | トップページ | [No.395-2]漢字検定 »

(016)小説No.376~400」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.395-1]漢字検定:

« [No.394-2]はやさの時代 | トップページ | [No.395-2]漢字検定 »