[No.395-1]漢字検定
No.395-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「そう言えば、漢字検定持ってたよね?」
「もう、自分で調べなさい!」
漢字検定を持っていることを誉めようとしていたのではない。
辞書代わりに利用しようとしている。
「だってぇ、面倒なんだもん!」
「ケータイでも調べられるでしょ?」
何のためのケータイ電話か分からない。
まぁ、友人の場合は、ほとんどゲーム機化しているが・・・。
「まったく・・・それで、なんて漢字?」
結局、甘やかせてしまった。
「そうこなくっちゃ!」
ケータイに頼ればいい・・・さっきは確かにそう言った。
けど、それこそが漢字離れの弊害かもしれない。
それに、漢字離れだけではなく・・・。
「話は変わるけど、見たことない・・・」
「何を?」
「あなたの字」
逆に私の字も、友人は見たことないだろう。
私たちの世代は完全にメール文化が根付いている。
それこそ“手紙”なんて書いたことがない。
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