« ホタル通信 No.136 | トップページ | [No.394-2]はやさの時代 »

[No.394-1]はやさの時代

No.394-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
-----------------------------
「・・・ん、もぉ、遅いっ!」

(あっ!・・・いけない)

幸い周辺には誰も居なかった。
ただ、かなり苛立った私の声は周辺に響き渡っただろう。

「あぁ~、最近どうしちゃったのかな・・・」
「疲れてるんでしょ?仕事忙しそうだしね」

仕事のせいにはしたくない。
けど、最近、イライラ度が増しているのは隠しようがない。
今朝だって・・・。

「エレベータさえ待てなかったのよ」

1階で止まっていたエレベータを自分の階まで呼んだ。

「確か・・・7階だったよね?」
「そうよ」

呼んだ時、途中で止まらずにストレートに7階までやって来た。
時間にして・・・そう、約10秒程度だと思う。

「10秒!?・・・相当、せっかちね」
「なんていうか、その時はすごく遅く感じたの」

いつも通りの時間に家を出て、特に急ぐ用事もなかった。
だから会社へ向かうために、焦っていたわけではない。

「でも、分かるな・・・その気持ち」
「今は・・・“はやさの時代”だもんね」

(No.394-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.136 | トップページ | [No.394-2]はやさの時代 »

(016)小説No.376~400」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.394-1]はやさの時代:

« ホタル通信 No.136 | トップページ | [No.394-2]はやさの時代 »