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[No.392-1]片目の子猫

No.392-1

登場人物
=牽引役(男性)
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「わっぁぁ!」
「お、驚かすなよ!」

会社帰り、自転車を駐輪場に停めた時だった。
白い塊が僕を見た。

「また猫かよ!まった・・・」

隣に停めてある、スクーターにうずくまっていた。

それにしても、ここ最近、こいつらと出逢う確率が増えてきた。
夜・・・それも仕事帰りは疲れ気味で気が抜けている時が多い。
そんな状況下では、誰もが突然の出逢いにビックリするだろう。

「・・・く、あれ?」

さっきまでの自分の威勢が、急にしぼんで行くのがわかる。
いつもなら、既に猛烈な勢いで逃げ去っているからだ。
それなのに・・・。

「どうした?」

いつもと違う状況に、つい声を掛けてしまった。

「・・・子猫じゃないか!?」

突然の出逢いとは言え、今頃気付いた。
それに、何だか雰囲気が変だ。

「おまえ、目・・・どうしたんだよ!?」

片目が赤い。
それにさっきから一向に逃げる気配もない。

(No.392-2へ続く)

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