ホタル通信 No.138
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.135 動く夜景
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性
この小説を書くきっかけとなるエピソードが割と単調な分だけ見せ方に一工夫加えています。
シチュエーション的には、比較的実話度は高めで、オチに相当する、飛行機の中での出来事を切り取ったものです。
飛行機の中、そこから見える夜景、独特の光の配置・・・等々は事実で、そこで交わされる会話は創作です。
飛行機からの夜景の眺め・・・ある意味、特別なシチュエーションかもしれませんが、非常に限られた中で話を作らなければならず、その意味では前述した通り、単調な展開になりそうな予感がありました。
そこでそれを逆手にとり、夜景を見ていることを前面に押し出しながらも、そこがどこであるかを伏せて話を進めています。
前半の中盤辺りに“遠くからでも観覧車”のくだりがありますから、読み手は高台や建造物などから、それを見ているのだと思っているでしょう。
もっとシチュエーションを限定的に語るのであれば、関西空港発の新千歳行きの飛行機の中であって、着陸の10分前くらいの夜景になります
夜景を小説のテーマとして使ったことはあります。
でも、案外話が広がりません。場所や演出の小道具としては優れていますが、そこにうまく心情を乗せることができません。
夜景そのものが、ロマンティックで綺麗なもの・・・との印象が強く、どちらかと言えばその逆を描きたい自分とのギャップを感じているからかもしれません。
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