[No.391-1]知らない車
No.391-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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他人には分かってもらえない気持ちのひとつだと思う。
「そこどこ?」
「前、住んでいた家」
「それにしても便利な世の中になったわね~」
一応、20代の私だ・・・発言はおばさんぽいが。
それは自覚している。
「その話は後で聞くから、肝心の店は?」
話題のスイーツを食するべく、ネットで下調べ中だった。
方向音痴の私たちだ。
事前のチェックなしで、その店にたどり着くのは至難の業だ。
「バッチリよ!」
今の時代、周囲の風景でさえ映像で見ることができる。
最寄り駅から、店まで続く道を何度も確認した。
「話を戻すけど、前住んでいた家って?」
「あ、うん・・・小さい頃ね・・・」
中学生まで住んでいた家だ。
持ち家ではなく、どこにでもありそうなアパートだった。
「こういうのって、急に調べたくなるのよね」
「わかる、わかる!」
今、どうなっているのか、急に知りたくなった。
あえて同じように最寄り駅から、かつての自宅を目指してみた。
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「(016)小説No.376~400」カテゴリの記事
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