[No.387-2]ラーテスカ
No.387-2
もちろん、聞いたことはないだろう。
でも、食べたことはあるはずだ。
「食べたことがあるの!?」
「あぁ、今までの話の流れを考えれば分るよ」
「流れ?・・・えっと、カ・ス・テ・・・」
「カステーラ!?」
分ってしまえば簡単だ。
「そっ!カステーラ」
「・・・って何?」
「えっ!」
一応、説明した・・・要は、カステラのことだ。
逆さまに読んだのには理由があった。
「昔な、友人から同じことを聞かれたんだ」
「“ラーテスカ”って食べ物知ってるか?って」
もちろん、その瞬間は知らなかった。
ただ、話を聞いているうちに、その事実が判明した。
「そいつ、夏祭りの屋台でそれを見つけたんだ」
「まるでカステラのような甘い香りだった・・・なんていうもんだから」
つまり、“!でいなら走”と同じだ。
「それなら、“フランクフルト”も、そうなのにね!」
「だよな、よほど売っている物と名前が一致しなかったんじゃない?」
あの四角いカステラではない。
「事実が分って、皆で大爆笑したよ!」
今でも、そいつのあだ名は、“ラーテスカ”だ。
「いさだくてっあきつ」
「・・・えっ!?」
理解力と行動力に、脱帽した。
| 固定リンク | 0
「(016)小説No.376~400」カテゴリの記事
- [No.400-2]あなたと繋がる場所(2012.10.02)
- [No.400-1]あなたと繋がる場所(2012.09.30)
- [No.399-2]幼い恋(2012.09.27)
- [No.399-1]幼い恋(2012.09.26)
- [No.398-2]きゅうりちん(2012.09.25)
コメント