« [No.387-1]ラーテスカ | トップページ | ホタル通信 No.133 »

[No.387-2]ラーテスカ

No.387-2

もちろん、聞いたことはないだろう。
でも、食べたことはあるはずだ。

「食べたことがあるの!?」
「あぁ、今までの話の流れを考えれば分るよ」
「流れ?・・・えっと、カ・ス・テ・・・」
「カステーラ!?」

分ってしまえば簡単だ。

「そっ!カステーラ」
「・・・って何?」
「えっ!」

一応、説明した・・・要は、カステラのことだ。
逆さまに読んだのには理由があった。

「昔な、友人から同じことを聞かれたんだ」
「“ラーテスカ”って食べ物知ってるか?って」

もちろん、その瞬間は知らなかった。
ただ、話を聞いているうちに、その事実が判明した。

「そいつ、夏祭りの屋台でそれを見つけたんだ」
「まるでカステラのような甘い香りだった・・・なんていうもんだから」

つまり、“!でいなら走”と同じだ。

「それなら、“フランクフルト”も、そうなのにね!」
「だよな、よほど売っている物と名前が一致しなかったんじゃない?」

あの四角いカステラではない。

「事実が分って、皆で大爆笑したよ!」

今でも、そいつのあだ名は、“ラーテスカ”だ。

「いさだくてっあきつ」
「・・・えっ!?」

理解力と行動力に、脱帽した。

(No.387完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.387-1]ラーテスカ | トップページ | ホタル通信 No.133 »

(016)小説No.376~400」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.387-2]ラーテスカ:

« [No.387-1]ラーテスカ | トップページ | ホタル通信 No.133 »