[No.385-1]消えたせいじゅうろう
No.385-1 [No.07-1]せいじゅうろう
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「せいじゅうろう、居てへんやん?」
「ん?」
菜緒(なお)の言葉に、すぐには反応できなかった。
「ケータイ、ケータイ!」
ようやく、ことが飲み込めた。
「あぁー!」
ケータイにぶら下がっているリラックマのせいじゅうろうが居ない。
「落としたん?」
「いや、そんなはずは・・・」
確かに紐が切れて・・・ということも考えられる。
ただ、そんなに簡単に切れるものでもない。
「昨日までは、ぶら下がって・・・」
(・・・昨日・・・あっ!)
「思い出した!わざと外したんだ」
昨日、公的な試験を受験した。
最近は特にケータイのチェックが厳しい。
その試験でも、確実に電源がオフされているかチェックされた。
「それだけやったら、外さんでもええやろ?」
「そうなんだけど・・・ほら、何となく」
本音を言えば、少し照れくさかった。
それに、厳かな試験にせいじゅうろうは似合わない。
つい、笑ってしまいそうになる。
「わかる!わかる!笑いのツボに入ったら大変やもんな」
「そやけど、せいじゅうろうはどこへ行ったん?」
行き場所はすぐに検討はついた。
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