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[No.383-2]雨女VS晴れ女

No.383-2

「やっぱり、彼女が来てくれたお陰よね」
「・・・彼女・・・お陰・・・?」
「知らなかった?」

同僚が不思議そうな顔で私を見つめる。

「・・・さん、“晴れ女”って社内では有名なのよ」

知らなかった、と言うより・・・。
最近、この職場に転勤してきた私では知りえない情報だ。

「彼女が来ると、雨が降っててもピタッ!と止んじゃうんだよね!」
「だから、ここぞと言う時には彼女に来てもらうの」

(・・・だから・・・か)

ここ最近を振り返ってみると、確かに思い当たる節がいくつもある。
取引先のイベント、部長の送別会・・・人が集まる所“彼女在り”だ。

「そうなんだ・・・晴れ女・・・ね」

どうやら、彼女の神通力に負けているらしい。
雨女としての神通力が単に衰えているわけでもなさそうだ。
これなら、まだまだいける。

「どうしたの?なんかホッとした顔して」
「えっ!う、うん、なんでもない・・・」

そう言えば、私の歓迎会と時は雨だった。
それも、これぞ雨女!と言わんばかりの大雨だった。
確か・・・その時に彼女の姿はなかった。

(まだまだ雨女は健在ね!・・・あれ?)

「さっき、ここぞと言う時には彼女に来てもらうって言ってたよね?」
「そうよ、それがなにか?」
No383
(No.383完)
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