[No.381-2]初恋×初恋
No.381-2
「それはあるわね」
5年生は丁度、心も体も変化しやすい年齢だ。
(でも・・・)
「あなたの場合、1年生じゃない?」
「いくらなんでもまだ“変化”には早いんじゃない?」
「それもそうね」
何か理由はあるはずだ。
自分が女の子ではなく、女性として意識した何かが・・・。
「言っとくけど、変な想像は止めてよね!」
「そっちこそ!」
恋に飢えたふたりだ。
適当な所で想像と言うか妄想は止めたほうが良いだろう。
「もしかして・・・」
あることを思い出した。
幼稚園の頃にはなく、5年生の時にあったもの。
正確には“あった”というより、“居た”と言ったほうが正解だ。
「居た?」
「そう・・・居たの」
その男子を好きな女の子が他にもひとり居た。
彼女の存在を知ってから、猛烈に自分が変わって行った気がする。
「つまり、ライバルってことね?」
今思えば、女の子から女性へ変わった瞬間でもあったのだろう。
(No.381完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(016)小説No.376~400」カテゴリの記事
- [No.400-2]あなたと繋がる場所(2012.10.02)
- [No.400-1]あなたと繋がる場所(2012.09.30)
- [No.399-2]幼い恋(2012.09.27)
- [No.399-1]幼い恋(2012.09.26)
- [No.398-2]きゅうりちん(2012.09.25)
コメント