[No.379-2]中華街
No.379-2
もちろん、家の近所に居るハトが付いてきたわけじゃない。
「ほんと嫌になっちゃう・・・人の集まるところハトあり!って感じ」
「なんか因縁でもあるわけ?」
「そうじゃないけど・・・」
因縁は無いが、縁はある。
何かとこいつらには、苦笑させられることが多い。
「それより見て・・・体」
彼らがここに集まる理由は明白だ。
私たちのように、皆も外で色んな食べ物をほうばっている。
そのおこぼれを、狙っているのだろう。
「・・・ほんとだ」
この混雑ぶりだ・・・おこぼれは十分過ぎるほどあると思っていた。
その割には、彼らはそんなに太っていない。
むしろ、痩せている。
「ほら、街中のハトなんて」
「普通、メタボだもんね」
ハトの数もそんなに多いとは感じない。
けど、なぜかここでは生存競争は激しいらしい。
「そんなにおこぼれに与れないのかもしれないね」
それを物語るように道路はとても綺麗だ。
食べ物らしきものは一つも落ちていない。
「案外、活躍してるじゃん!」
肉饅頭の欠片をわざと道路に落とした。
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