[No.378-2]あめちゃん
No.378-2
「食べていい?」
「もちろん!」
袋の中で更に小袋に別れている、オーソドックスなタイプだ。
小袋が透明ではないため、中身は見えない。
(どうせなら・・・)
中を見ずに口に入れてしまおう。
自分自身でサプライズを演出してみた。
小袋を軽く裂いてから、中身を見ないように飴を口に運んだ。
(・・・甘い)
正確に言えばそんなに甘くはない・・・甘く感じる程度だ。
砂糖の甘さではない最近よく口にするあの甘みだ。
「・・・さわやかな甘・・・んっ!?」
舌が何かを感じとった。
「うっ!す、すっぱぁ!!」
レモンらしき酸味が舌を襲う。
でも、次の瞬間、飴が口の中で転がり再び甘さを取り戻した。
思わず、袋の中から小袋をひとつ取り出し中身を確認した。
「なるほど2重構造か・・・美味しい!」
「ね!ねっ!いけるでしょ?」
それにしても優衣(ゆい)を少しでも疑ってしまったことが情けない。
(ごめんな)
ちょっとした罰として、すっぱい部分を積極的に舐めた。
(No.378完)
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