[No.377-2]季節の色
No.377-2
「やっぱり、植物の影響が大きいのかな?」
桜から始まり、ひまわり、もみじへとつながる。
そしてついには花も葉も落ちて色を失う。
今まで会話してきた内容は、植物が持つイメージに似ている。
「多分・・・そう思う」
「視覚の影響は大きいと思うな」
知らず知らずの内に、季節に色を感じている。
「けど・・・変わったね」
最近はその色も薄れてきたように思える。
学校までの道のりは、数年前よりも随分と殺風景になったからだ。
「自然破壊?話が壮大になってきたじゃん!」
「そんな大袈裟じゃないけど・・・」
「冗談よ、気持ち分かるから」
だからこそ、植物の香りが教えてくれた。
自分達が今ここに居るのだということを。
「ねぇ、学校で育ててみようよ!色とりどりな植物を」
「・・・無理よ、そんなの」
「大丈夫よ!私に任せておいて」
その後、季節は巡り、学校は色とりどりな植物に包まれた。
「・・・凄いわね」
「生徒会長の最後の仕事よ!」
季節の色が踊る学校で、私達は高校生活を終えようとしている。
「季節の色か・・・」
| 固定リンク | 0
「(016)小説No.376~400」カテゴリの記事
- [No.400-2]あなたと繋がる場所(2012.10.02)
- [No.400-1]あなたと繋がる場所(2012.09.30)
- [No.399-2]幼い恋(2012.09.27)
- [No.399-1]幼い恋(2012.09.26)
- [No.398-2]きゅうりちん(2012.09.25)
コメント